2025.07.11
結果報告〓WSL Challenge Serios #2 Ballito Pro Presented By O’Neill Ballito, KwaZulu-Natal, South Africa
2025年6月30日 WSL Challenge Serios 2025/2026シーズン第2戦が南アフリカのバリトーで開幕した。
会場となったウィラードビーチは、リーフとサンドがミックスしたブレイクで、潮の満ち引きによってコンディションが刻一刻と変化するポイントだった。
水量も多く、パワフルな波がブレイクすることで知られ、タフなコンディションの中での対応力が試される。
ビーチの両脇、さらに奥の両サイドにも複数のブレイクが点在し、すべて歩いてアクセスできる範囲に多彩なサーフスポットが広がっていた。



BALLITO, KWAZULU-NATAL, SOUTH AFRICA – JULY 6: Prizegiving at the Ballito Pro on July 6, 2025 at Ballito, Kwazulu-Natal, South Africa. (Photo by Kody McGregor/World Surf League)
出場選手
CS#2出場のNAMINORI JAPAN13名の選手紹介
MENS
- 大原洋人 男子 2024 チャレンジャー・シリーズ・リクォリファイアートップ 10
- 西慶司郎 QSランキング
- 伊東李安琉 QSランキング
- 加藤翔平 QSランキング
- 安室丈 QSランキング
- 岩見天獅 QSランキング
- 田中大貴 地域ワイルドカード
WOMENS
- 都築虹帆 QSランキング
- 池田美来 QSランキング
- 松岡亜音 QSランキング
- 都筑有夢路 地域ワイルドカード
- 中塩佳那 WJCチャンピオン(1位選手がWC入したため繰り上げ)
- 野中美波 alternate
以上の13名で今大会を挑みます。
選手結果報告
大原洋人
Round of 32 敗退 25位 1700pt
ファーストラウンドはかなり手強いヒートだったが、経験を活かした勝ち上がった
のは流石だった。
Round of 32は波数も少ない時間帯のなか、後半にプライオリティミスをしてしまい、勝ち上がった選手にたて続けにエアーでハイポイントをだされてしまったのが悔やまれる結果となった。


伊東李安琉
Round of 64 敗退 33 位 700pt
伊東李安琉のヒートの幕切れは本当に残念だった。
終了間際、ファーストプライォリティーを持った伊東選手に必要なポイントは3.76ptだった、小ぶりな波を見つけ伊東選手がテイクオフするもこの時点で2位のジャクソンバンチが、プライオリティーを勘違いしてまさかのドロップイン
その結果ジャクソンバンチがプライオリティインターフェアーを犯し4位へ後退、伊東選手もスコア出来ずに3位で敗退することとなってしまった。


西 慶司郎
Round of 64 敗退 33 位 700pt
前哨戦のQS2000では見事準優勝しこのポイントとの相性の良さを魅せた西 慶司郎。
CS Round of 64ではShion Crawfordがハイスコアを揃え一つ抜ける展開。
一方、他の3名はなかなか良い波を掴めず、ロースコアの展開となった。
終了のホーンと同時に西がライト方向へテイクオフ。力強いターンでスプレーを上げ、最後のチャンスに懸けた。
そのライディングはスコアにカウントされたものの、ニードスコアには惜しくも届かず、ここで惜しくも敗退となった。




加藤 翔平
Round of 64 敗退 33 位 700 pt
初戦AUSでの悔しいRound of 80の逆転負けの屈辱を晴らし、初戦の壁を突破した加藤翔平選手
Round of 64では初戦優勝のジェイコブ・ウィルコックス ,カイラス・キングらオーストラリア勢と対戦
本人も試合終了後に、「肩が痛くなくるくらい緊張してた」という状況で前半はスコア出来なかった。
しかし残り3分20秒で、ノーグラブでのエアーを決め5.77ptを出し追撃開始、終了間際にテイルハイ/ノーズピックエアーを決め逆転かと思われたが、3位で敗退となった。


都筑 有夢路
Round of 32 敗退 17 位 1900 pt
前半10分狙った波がはいって来なく追う展開で始まったが、オープニングウェーブで4.93ptを出し追撃開始、途中狙った波をアンダープライオリティーのキラ・ピンカートンが乗りプライォリティーインターフェアでキラが離脱、あとはバックアップを上げるだけだったが狙った波が来ず、終了間際に乗った波ではニードスコアに届かずに敗退してしまった。
しかしサーフィンスキルの高さは会場でも際立っており、今後の活躍を期待したい。


池田 美来
Round of 32 敗退 17 位 1900 pt
池田美来は、今大会も大村奈央コーチとのタッグで挑んだ。
今回はCS本戦に加え、プロジュニアとQS2000にも出場。初めてのバリトーの波に対応しながら、ヒートを重ねるごとにその感覚を確かめていった。
会場を縦横無尽に動き回り、計12本のライディング。徐々に波へのフィット感を高め、最後の2本でベストスコアを揃える試合運びを見せた。
しかし、ソフィア・メディーナやアリッサ・スペンサーといった強豪の前に、惜しくも苦杯を喫する結果となった。


都築 虹帆
Round of 32 敗退 17 位 1900 pt
都築虹帆は、シエラ・カー、テレサ・ボンバロ(Teresa Bonvalot)とのヒートに挑んだ。
オープニングウェーブで5.00ptをマークし、まずは順調な滑り出しを見せる。
しかし、対戦相手のテレサ・ボンバロも直後に5.77ptのスコアを記録。さらにシエラ・カーは中盤、見事なエアーをメイクして6.40ptを叩き出すなど、ヒートは序盤からハイレベルな展開となった。
都築は粘り強くセットを待ち構えるも、ヒート中盤にプライオリティのミスがあり、優先権を失ってしまう。波数の少ないコンディションの中で、再びリズムを取り戻すことができず、惜しくも3位でのフィニッシュとなった。
試合敗退後も、サイズのあるチューブコンディションに果敢にチャージする姿が印象的だった。あえて攻め続けるその姿勢こそが、彼女にとって最大の成長につながっている。



野中 美波
Round of 32 敗退 17 位 1900 pt
野中美波は、ジュニア世代のローラ・ラウプ、ジャニーレ・ゴンザレス・エチャバリ、そして第1戦で優勝を飾ったフランシスカ・ヴェセルコという注目の若手選手たちと同ヒートで対戦した。
序盤から波の選択に苦戦し、なかなかスコアの出る波を掴むことができなかった野中。一方で、ローラ・ラウプは1ターンで6.5ptというヒートハイスコアをマークし、勢いに乗る。
波数の少ない難しいコンディションの中、ペースを掴みきれずに終わった野中にとっては悔しい結果となったが、世界の次世代トップとの対戦は、確かな経験として今後に活かされていくだろう。


松岡 亜音
Round of 48 敗退 33 位 700 pt
松岡亜音は、リード・ヴァン・ワゴナー、ジャニーレ・ゴンザレス・エチャバリ、アナスタシア・ヴェンターとのヒートに挑んだ。
ヒートを通して波数は少なく、どの選手も1ターンしか入らない波ばかり。勝負を決めるセットを掴めるかどうかがカギとなった。
松岡も粘り強く波を狙ったが、スコアにつながるセットにはなかなか巡り合えず。もし良い波を掴めていれば…と思わせる展開だった。
ヒートを制したのは、リード・ヴァン・ワゴナーとジャニーレ・ゴンザレス・エチャバリ。松岡にとっては悔しさの残る敗退となったが、次戦での巻き返しに期待したい。

中塩 佳那
Round of 48 敗退 41 位 650 pt
国内では無類の強さを誇り、“無双”とも言える安定感を見せてきた中塩佳那。
しかしここまでの2戦では、思うような結果を残せていない。
普段はミスの少ない彼女が、まさかのワイプアウトを繰り返す場面も。
海外特有の、水量が多くパワーのある波への対応に苦戦している様子がうかがえた。
とはいえ、彼女本来のパフォーマンスを発揮できれば、必ず巻き返せるポテンシャルは十分にある。次戦以降での復調に大きな期待がかかる。

田中 大貴
Round of 80 敗退 65 位 300 pt
田中大貴は、持ち前の波選びのスキルを活かし、良い波にはしっかりと乗っていた。
しかし、この日は田中らしからぬワイプアウトが目立ち、本来の流れを掴みきれないままヒートが進んでしまった。
普段の彼は、試合の「ここぞ」という場面で120%のパフォーマンスを発揮する勝負強さが持ち味。
それだけに、今回の結果は本人にとっても歯がゆいものだったに違いない。
それでも、波を見る目やポテンシャルは確実に光っている。次戦での巻き返しに大きな期待がかかる。

安室 丈
Round of 80 敗退 73 位 250 pt
安室丈はこのヒートで5.93ptというヒートベストを記録。
確かな実力を示すターンを決めたものの、バックアップスコアを揃えることができず、惜しくも敗退となった。
彼のサーフィンには常に高い完成度があり、技術的には申し分ない。
だが、その滑らかでミスの少ないスタイルゆえに、ジャッジや観客からすると“うますぎて普通”に見えてしまっているのかもしれない。
それでも、世界に通用するサーフスキルは間違いなく持っている。今後のヒートで、彼本来の存在感をしっかりと見せつけてくれるだろう。

岩見 天獅
Round of 80 敗退 73 位 250 pt
まだ20歳になったばかりの岩見。
どこかに迷いを抱えながら波に向かうその姿には、若さゆえの葛藤がにじんでいた。
しかし、試合が終わり数日が経つ頃には、その表情に少しずつ光が差し始めていた。
確実に、何かを掴みかけている。
この一戦で得た経験が、きっと彼の中で何かを変えたはずだ。
次戦では、本来の自分らしいサーフィンを取り戻し、さらなる飛躍を見せてくれるだろう。

今大会は皆が思うような結果にはならなかった。
それでも、誰ひとりとして下を向いてはいない。
全員が敗退を喫した翌朝、日の出とともに多くのNAMINORI JAPAN選手がすでに次戦に向けて海に入り、調整を始めていた。
その背中は、すでに前を向いている。
悔しさを力に変えて――
次戦、US OPENでの巻き返しにご期待ください。

引き続き、皆さまの応援をよろしくお願いいたします。
Written by Kiyoshi Ogata | NAMINORI JAPAN